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誰も 見てはいけない

暴いてはいけない その秘密を


昨日 終わってしまうからと 定時上がりで 見に行ってきました。
 
{ヘンリーダーガー非現実の王国で} 

別に 泣ける映画では ないのだけれど 

のっけから ぎゅっとされている 感じでした 

手に取るように わかってしまう その 気持ちが 願いが 

自分と シンクロする


美術や 芸術に 縁のない人間は この映画を どんな風に捉えるのかな

多分 そういったことに 興味を抱かない 人たちから 見れば

とても 退屈かもしれない

これは 彼の想像のストーリであり また 人生のドキュメンタリーでもある

私には いろんな意味で ひりひりした 映画だった

彼の気持ちは よくわかる


この映画で 彼について より深く知った 

最初 私も アウトサイダーアーティストとして 彼を認識してたから

少し頭の弱い 感じなのだと 正直 思っていた

でも違った 彼は狂ってなどいなく ただひたすら 純粋だったのだ

子どものまま 大人になった老人の 残酷なほどの 幸福な世界

敬謙な キリスト教信者だった 彼が 唯一 疑りながらも 最後まで信じた 神と

自分の想像した 永遠の子らが住まう 正義の世界

そして彼は 人生全てを その世界に 費やした 

誰とも交わらず 貧しく 愛されることも 拒否した

その時点で 彼は偉大な 芸術家だ

アウトサイダーで くくるのは 間違ってる気がする


現実には 愛することも 愛されることも かなわなかった

けれど 確実に 芸術には 愛されていた

彼の想像した 子どもたちにも

彼が その世界を 愛したのと 同じように

数少ない 彼の知人たちは 彼の人生は 多分 幸福だっただろう と言った

私もそう思う 

自分だけの世界で 生きることを 貫いた彼は 幸福だっただろう

だから少しうらやましくも思う


だけど 彼は この状況を きっと望んでなかった

隣人たちに 死に際 あの部屋の 全てを暴かれ 

とても すばらしいね と言われた時 彼は少し 白目をむいて

<もう手遅れだ>

といった 彼はきっと あの世界を 守れなかったことに 悲嘆したんだと思う

けしてそれは 理解を求めたかったような 世界ではく 彼だけに 許された世界だったから

理解なんかされなくって良かった ただ土足で 踏みにじられては いけない世界だった

人には 必ずしも そういう領域が あると思う

私にも あなたにも

だから その落胆と 悲嘆は 想像を絶する

私が 彼でも 同じように 思うだろう


あの世界を壊してしまった 罪を償うように 彼は 死んでいった

皮肉にも 彼が死んだ後 その世界は 光にさらされた

そして その世界を知らない人々の 賛辞を受けた

幸福にも罪深き 私たちは そうされたことで 彼と彼の世界に出会う

だからもう 語らないでいよう


この映画は 2人で 見に行ったんだけれども 私も もう一人も 

その後 その映画のことは 語らなかった

彼の美しき 秘密の園を 垣間見たいという方は 

その罪を背おう 覚悟で見るといい 

だけどけして その秘密を 語るなかれ 暴くなかれ


いつも いろんなアーティストに 触れて 

私もどうか 彼らのように 芸術に愛される人に なれますようにと

切に願う



漫画家の やまだないとが フライヤーの中で 

<これは私たちが共有していい世界ではない。彼だけのものだ。>

私も そう思う



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